カイロ・レン、BB-9Eのアクリル画
前回のブログに続きまして、3月~4月の課題、POP!の完成作品のご紹介になります。
★前回ご紹介した完成作品は、ジン・アーソ、BB-8、スティッチのアクリル画をご覧ください。
今回はカイロ・レンとBB-9Eです。
黒猫の美術教室は男子が少ないのですが、こちらのモチーフをを選んだのは男子が多かったです。
両方共、真っ黒なモチーフなので、子供達にはある意味難しかったかもしれません。
子供達が頑張って描いた作品をどうかご覧下さい。
目次
カイロ・レンのアクリル画
こちらがモチーフになります。
真っ黒ですね。
ライトセーバーの赤を除けば、あとはもう黒とグレーですね。
固有色が黒ということなので、色をつけること自体は簡単ですが、光の表現は難しくなります。
特に子供達には、黒い=黒く塗るという固定観念から抜け出せないケースも多くあります。
しかし、黒くても黒く描かない場合もあります。
例えば、この写真の光の当たっている黒い面と、影になっている黒い面は同じ色でしょうか。
答えはNOです。
同じ黒でも、色々な黒があります。
固有色に騙されてはいけません。
美術においては、固有色は大した問題ではないのです。
光を見ましょう、光が当たらなければ物は見えないのですから。
今回もほとんどの生徒様がグリザイユを行ってから、固有色を塗っています。
★グリザイユと固有色に関してはグリザイユで明暗を表現しようをご覧下さい
こういう専門的なことは学校では教えてくれませんね…。
教える人がいないというのが現状です…。
少し話がそれますが、先日中学校の美術教師とお話をする機会があったのですが、現在の学校では図工、美術共に特段美術の知識が無い状況でテキストを見ながら教えているケースが多いようです。
日本の美術はこの先どうなるのでしょう…。
さて、気を取り直してカイロ・レンの話に戻ります。
カイロ・レンの難しいポイントは、顔のディテールとライトセーバーと体の空間処理、そして台になります。
これらひとつひとつは生徒様の作品と共に解説いたします。
では、お待たせ致しました。
作品をご覧下さい。
まずは、小学校6年生の作品になります。
うん、素晴らしいです。
カイロ・レン感が出ています。
こちらの生徒様は、僕の話を良く聞いて彼なりに理解し、実行する事が出来るのでいつも感心いたします。
今回、キャンバスでの制作は初めてだったので、最初は苦労している様子が見受けられましたが、あまり助けずにヒントだけあげて遠くから見ていました。すると、数回の教室で慣れていき、何かを掴んでくれたように思いました。
先程のカイロ・レンの難しいポイントの顔のディテールも、とても良く観察して描けています。
最後まで観察をして、細かい部分まで調整していましたよ。
もうひとつのポイントは、ライトセーバーと体の空間処理ですね。
ライトセーバーと体は離れているので、そこの空間を描かなければいけません。
空間を描く?
と混乱しそうな話ですが、考え方は簡単です。
空間を描く表現方法はいくつかありますが、この作品では影を離して描く方法を教えました。
一番簡単な距離を描く方法です。
ついている部分は影をくっつけて描きますが、離れている場合は影を離して描きます。
それだけです。
どの程度離して描けばいいかなどは、モチーフを良く観察して見てみましょう。
必ず離れた影が見えるはずです。
こちらの離して描く影も上手に描けていると思います。
スフマートも最後まで頑張って描いていました。最初のキャンバス作品とは思えない程良い出来だと思います。
最後の最後まで自分の絵を疑い、客観的に見る力はとても大切な事で、実は一番難しかったりします。
こちらの生徒様はそれが出来ます。
また、あまり助けない方が成長する事も分かりました。
すぐに助けずにヒントを与えると、自分で答えを見つける事が可能な子なので、そちらの指導方法のが絶対成長するはずです。
持ち前の観察力をさらに鍛えれば、この先すごいことになるかもしれません。楽しみです。
続いては、中学校2年生の作品です。
バックの緑が綺麗ですね。
ライトセーバーの赤と、とても良く合っていて両者の色を引き立てております。
先程の小学校6年生の生徒様は繊細な筆使いをしますが、こちらの中学校2年生の生徒様はとても大胆な筆使いをします。
どちらが良いということはありません。
これは個性なので、その個性を伸ばすべきですね。
ダイナミックな筆使いで描かれた作品で、印象派を彷彿とさせます。
おそらく、この生徒様はそちらの才能があるのでしょう。
これからも、そのダイナミックな筆使いで進んでいってほしいです。自分らしい美術を表現して下さい。
ダイナミックな中にも、POP!らしい可愛さが上手く表現されています。
BB-9Eのアクリル画
続いてのモチーフはこちらです。
BB-9Eです。
こちらも真っ黒ですね。
有彩色は目の赤のみという、カイロ・レンにも負けない黒さです。
形は単純なのですが、お腹の部分のディテールを表現するのに苦労しそうです。
それでも、BB-8よりは少し簡単だと思います。
BB-8はお腹から手のようなものが出ていましたからね。
さて、では早速作品をご紹介していきます。
まずは、小学校5年生の作品です。
こちらの生徒様は、課題途中でのご入会でキャンバスに描くには時間が足りません。そのため、今回は水彩紙に描いています。
他の生徒様とは違い、にじみを生かした水彩の技法で描いてもらいました。
黒猫の美術教室にご入会いただいて初めての作品ですが、集中して頑張っていたと思います。
お腹のディテールも一生懸命描いていました。
真面目な性格の生徒様なので、この先ちゃんと僕の言っている事を覚えれば上達するはずです。
ただ、あまり絵を描くのが好きではないという事なので、まずはそこから変えないといけないかな…と思っています。
やはり好きじゃないと上達が難しい分野ですので。
観察力が身に付けば画力も上がりますので、そうなれば少しずつでも絵を好きになってくれるかな…。
頑張ります。
最後は中学校1年生の作品です。
良く観察して描けています。
こちらの生徒様は、バックの色を決める際に自らグラデーションをやりたいと言ってきました。
難しいよ?
と言ったところ、それでもやりたいという事でしたので、僕も嬉しくなってグラデーション技法を指導しました。
とても上手に描けていますよね。
ウルトラマリンのグラデーションが鮮やかでとても目をひく作品に仕上がっています。
あとは、面の認識も良いと思います。
厚さをちゃんと考えて描かれているので、モチーフを立体的に捉えていることがわかります。
こちらの生徒様は、最近特に成長したと思います。
前はここまで観察出来ていなかったので、ここ最近の成長が本当に嬉しいです。
お腹の明るさも良いですね。
次の作品も期待しております。
また、新しく入った生徒様を気遣ってくれたり、できることを率先して手伝ってくれたり、皆を楽しませてくれたり、いつもとても助かっています。
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