第44回 現代童画展

第44回 現代童画展

現代童画会が11月10日から東京都美術館にて開催されます。

現代童画会は絵の中に物語性があり楽しい作品が多いので、お子様にも是非観ていただけたらと思います。

力作が沢山観られますので、是非会場へお越し下さい。


★会期/2018年11月10日(土)~16日(金) AM9:30~PM5:30

※PM5:00まで入場 最終日PM5:30まで入場

★場所/東京都美術館1階 第1・2・3展示室

★現代童画会HP/http://www.gendoh.jp

 

現代童画会とは

現代童画会は絵画の創造と発展を希求し1975年に設立されました。
「自由なる心の表現」を標榜し、素朴、純粋性を基軸に公募、展覧会を開催する日本で唯一の美術団体です。

ちょうど良い機会ですので、僕が現代童画会に出品した経緯をお話したいと思います。

 

★このブログと合わせて公募展(美術団体)についてをご覧いただけると、より詳しくご理解いただけると思います。


腕試し

今思えば本当に生意気な理由です。
当時は若かった事もあり、若気のいたりという事でご容赦いただきたいと思います…。

嘘はいけませんからね、初出品の理由は正直これでした。

当時はまだ僕が、師匠の元で修行に励んでいた頃です。

師匠から「腕試ししてきな。」
というような事を言われて、本当にただそれだけの理由で現代童画会に2010年に初出品しました。

正直、師匠と同じ公募団体に出品した方がメリットがあります。

一概には言えませんが、結局人が審査をしているわけですから、審査には作品の良し悪し+多少の人情が含まれるケースがございます。
※これに関しては子供達がもっと大きくなって公募展に出品するような事になれば、その時にちゃんと話したいと思っております。

僕の場合、「腕試し」が当初の出品理由であったため、師匠とは関係のない公募団体(現代童画会)に出品する事にしました。

なぜ、沢山ある公募団体(美術団体)の中から現代童画会を選んだのかというと、単純に自分の画風や表現したい事に向いていると思ったからです。

色々な公募展を観に行ったのですが、その中でも現代童画会はかなり懐の広い美術団体だと感じたんです。
実際に観ていただくとわかると思いますが、それぞれの作家が様々な技法で描かれていて、「自分」を表現しています。
作品に物語性があり、最後まで飽きずに観られました。
こういった美術団体は、正直少ないと思います。

 

賞と暗黒時代

そういった経緯で現代童画会に初出品した訳ですが、この初出品の時に賞をいただきました。

今だから書きますが、この時、嬉しさよりもプレッシャーによる苦しさの方が多かったんです。

「来年はもっと上の賞をとらなければいけない…」
このプレッシャーです。

まさに、僕の美術史の暗黒時代です。

この時期は本当に死にそうな顔で絵を描いていたと思います。
この頃の絵を今観ると、あきらかに暗いです。

とてもじゃないけど、誉められた絵の描き方じゃないですよね。
今では思い出すのも辛いです。

そもそも性格上、誰かと争うのは苦手ですし、賞レースに踏み入れてしまった恐怖感が凄かったんですね、臆病です。

そんな中、現代童画展に出品する作品を死ぬ気で描いて「会友推挙」をいただきました。

 

出会い


この頃、現代童画会の大先輩で唯一お話できる方が初めて出来ました。

お名前は伏せておきますが、今現在でもとても可愛がってくれている先生との出会いです。

絵画作品

その先生の作品です。

先生とお話していくうちにプレッシャーなどが無くなり、とても楽になれた事を覚えています。

作品についてあまりうるさく言ったりしないのも、一緒にいて気負いしない理由かもしれません。

…いや、、サイズの事は今でも言われるぞ?

…まぁそれは、先輩としての暖かいアドバイスですよね。今回の作品でもこのアドバイスがプラスになったと思っています。

実際に言われて納得して、毎回自分でサイズを決めてきました。
だんだんサイズが大きくなってきたのも、僕の絵にとっては確実にプラスな訳です。しびれるアドバイス、いつもありがとうございます。

この先生と接しているうちに、賞を意識しないで自分の描きたいものを描けばいいんだと、考えられるようになったんです。
昔のように絵を描くのが、とても楽しくなりました。

勿論苦しい事もありましたが、それ以上に楽しく絵を描けるようになり、成長できたのだと思います。

 

会員推挙

それから毎年現代童画会に出品して、いくつか賞をいただき、「会員推挙」をいただきました。
この頃、師匠からも免許皆伝をいただいた記憶があります。

会員になれば一人前とされる美術の世界です。
しかし、まだまだその美術界でいうと僕の年齢ではひよっこです。
40代でも若手と言われる世界ですから、
まだまだです。

沢山苦労してここまで来ました。
でも、荒波に揉まれる事により、本当に成長した感覚があります。

その中でしか得られなかった事が沢山あると感じています。

今では、ここまで育ててくれた現代童画会にとても感謝していますし、当初の「腕試し」という感覚はもう全くありません。

現在は現代童画会が好きで、現代童画会の人達が好きで、現代童画会の作品が好きで、現代童画会の先輩方を尊敬しているのが在籍理由になるのだと思います。
特に可愛がってくれている先輩方には、本当に感謝しかありません。

先輩方の素晴らしい作品も沢山展示されます。
僕も今までで一番大きいサイズの作品を出品しています。
現代童画会、年に一度の大きな展覧会ですので、是非観に来ていただけたらと思います。

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2018年11月07日