1月の課題/ワインボトルのデッサン

 

お正月の正装

新年明けましておめでとうございます。

旧年中は格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございました。
黒猫の美術教室は、本年も皆様により一層ご満足いただける絵画教室を目指してまいります。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

 


目次

 

1.モチーフ

 

2.ワインボトルのデッサンのポイント

 

3.ラベルを利用しよう

 

4.失敗を恐れずに

 

5.まとめ

 


 

モチーフ

黒猫の美術教室には小学生の生徒様が多い為、子供達をいかに飽きさせず集中させるかが常に重要な課題になっています。

例えば、デッサンで良く使われるモチーフには軍手やブロックや鍋など、子供達にはつまらないモチーフも多いです。

しかし、デッサンの練習になれば良い訳ですから、子供達が飽きずに描けるようなモチーフを使うように心掛けてきました。
これからもそうしていくつもりですが、今月はあえてワインボトルにしてみました。
飽きずに描けるモチーフと、定番のモチーフを良いバランスで使っていけたらと考えています。

ワインボトルはデッサンに良く使われるモチーフです。
「円柱の練習」、「ガラスの練習」、「人工的なものの練習」。
ワインボトルには美術を学ぶ上で大切な要素が沢山つまっていて、とても勉強になります。
子供達が最後まで集中できるか不安な面はありますが、子供達の様子を確認しつつ、今後も徐々にこういったモチーフも入れていきたいと思っています。
ワインボトル以外にも子供達に描いてもらいたいものが沢山あります。
今年はモチーフ集めにも力を入れていきたいと思います。

 

ワインボトルのデッサンのポイント

ワインボトル

今月のモチーフ、ワインボトルです。

ワインボトルをデッサンで描きます。
上手に描くポイントをいくつかご紹介致します。

 

工業製品なので左右対称に描くこと

 

質感を意識すること

 

透明のモチーフでも面を意識すること

 

他にもポイントはいくつもあるのですが、それらは、いつも書いているし子供達にも言っている事なので、省略させていただきます。

※モチーフを良く見る事、面を意識すること…等です。


 

さて、①の「工業製品なので左右対称に描くこと」からご説明致します。
今回のモチーフは人工的に造られたものです。畑に行っても、ワインボトルは収穫できませんよね。

 

人が造ったものです。

こういったものは、「いかに正確に左右対称に描けるか」が重要になります。
※あえていびつに作られているものは除きます。

では、どうやって左右対称に描くのか。これは、確認作業がとても大切になります。

ただ、イーゼルの前に座って確認していても駄目です。絵は離れてみるものです。
イーゼルから離れて、絵を離して見る事が大切になります。近くで見ていても形の狂いは分からないものです。
つねに自分の描いている絵を疑い、離れながら、確認しながら描き進める事が大切になります。

 


次に、②「質感を意識する」についてです。

ワインボトルの素材はガラスです。
ガラス素材を上手に表現する事が重要になります。
ガラスを上手に描くポイントをご紹介します。

まず、ガラスは透けていますよね。
向こう側が透けて見えます。

つまり、普段は描かなくて良かった向こう側の面も意識する必要が出てきます。

さらに、向こう側の景色も見えると思います。
これらを意識して、ガラスの透明感と陰影を鉛筆の濃淡で表現します。
後半はガラス表面に映った周囲の映り込みも描いていくと良いでしょう。


続いて、③「透明なものでも面を意識すること」ですが、ワインボトルは透明で透けていますね。
しかし、透けていても面はあります。
子供達には、おそらくここがかなり苦戦するポイントになると思います。

モチーフを良く観察して、どういった面で成り立っているかを常に意識しながら描きましょう。

デッサンの上達はとにかく「観ること」です。
観ても分からなかったら触ってみましょう。
何かヒントが得られるかもしれません。

 

ラベルを利用しよう

ワインボトルは円柱です。
この丸みを割りと簡単に表現できるポイントがあります。

それは、ワインボトルに貼られている「ラベル」です。

このラベルは面に沿ってついているので、それを利用してワインボトルの丸みを表現すると良いでしょう。

また、ラベルの文字や絵、写真などの描写は、レタリングの良い練習が出来ます。
※レタリングとは、手で印刷書体の美しい文字を書く事を指します。

 

失敗を恐れずに

難しい部分も多いかと思いますが、最初から上手くいくわけはありません。
沢山失敗してください。失敗から見えてくることも沢山あります。
少しずつ慣れて覚えて、最終的に自分のものにしていけば良いのです。

また、教室で最近よく見られる光景なのですが、皆で途中経過を見せ合ったり、確認し合ったりすることもとても良いと思います。
自分では気がつかなかったことを他の人の意見から知ることができるからです。
最終段階(自分の絵を突き詰めるところまで習得しているプロの方)等は独自の感性が大切になるかと思いますが、少なくとも今の段階では、他の人の意見にも耳を傾けて、沢山模索してほしいと思います。

 

まとめ

今週は、年始めの教室でした。
子供達が皆元気に来てくれて良かったです。

年始めの教室で、小さい子には割りと難しいモチーフでしたが、今回ブログに書いた事を子供達に指導して描いてもらいました。

子供達はそこまで抵抗なく描けていたと思います。
勿論、集中力が続かず難しい子供もでてきます。
集中が途切れてしまったときに、どう切り替えてもらうかが課題になります。僕も色々と工夫していかなければいけません。

次の教室では、今週の反省点も踏まえて全員ちゃんと描けるように頑張りたいと思っています。

また、今週は嬉しいお客様が。

数年前から知っている子供が遊びに来てくれました。
子供の成長は早いもので、とても大きくなっていて驚きました。
体験に来てくださり、今後一緒に学ぶことが決まりました。
緊張せずに、教室の皆と楽しく学んでくれたら嬉しいです。

来週もワインボトルのデッサンの続きになります。
頑張っていきましょう。

 

 

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2019年01月09日