こんにちは黒猫の美術教室です。
今回は最近教室で行っている指導について触れていきます。
先日の教室で珍しく皆の前に立ち、ホワイトボードを使って授業をしました。
内容は、「具象絵画はどのように作品として成り立っているか」です。
文字にすると、とても難しく感じますが、低学年でも分かるように説明しました。
この内容は教室で常に教えている事でもあり、今まで何度も何度も子供達には説明してきましたが、今回はなんとなくではなく完全に理解するよう教えました。
とても重要な内容なので、3クラス全員がわかるまでしつこく続けました。
今回で間違いなく全員理解できたはずです。
休んだ子は残念ですが。
子供が美術を学ぶ上でのハードル
そんなとても熱心に取り組まれていらっしゃる僕ですが、その取り組みの前にまずは前提のお話を。
ここまで子供達に美術を教えてきて僕が思うのは、子供達が美術を学んでいく上でいくつか越えなければいけないハードルがあるということ。
今回の内容は、これから子供に美術を教えようとしている方の参考になるはずです。ぜひご活用下さい。
では、ハードルをひとつひとつ見ていきましょう。
ハードル1 形取り
一番最初のハードルは【形取り】でしょう。
形を上手く取るには目の使い方がポイントです。目は絵を描く上では常に大事で全てに言える部分ですが、目を鍛えると、全ての違和感にすぐに気が付きます。いわゆる観察力。
目が鍛えられていない&見方が分かってない子供達にとって、まず最初に立ちはだかる壁。
学校では教わらないので上手く出来ないのは当然。
日本の子供はものを見て描く事に慣れていませんので、まずはここを訓練する必要が出てきます。
教室に入る前に模写を沢山やっている子はある程度すぐ慣れますが、個人差はあります。
教室に入ったら1年くらいはここを鍛えることになります。
ハードル1ですが、子供によってはきついです。上手く出来ませんので。
なのでなるべく嫌にならないようにモチーフだったり、教室の空気感でストレスの軽減を。
とにかく続ける事が大事ですので習得するまで頑張れるようにするのが大事。
そういえば…、先日ポケモンセンターでモチーフのポケモンを4匹捕まえてきました。
勉強になりそうな4匹を選びました。可愛いです。高いです。
今後はそれも教室のモチーフに加え様々な訓練をしましょう。
ハードル2 面
第2のハードルがこれです。
こちらは、お勉強の要素が強いです。感覚ではなく頭で考える部分。
面に関しては、普通に教えるとややこしく難しいです。
しかし、一番大切な部分ですので黒猫の美術教室を開講して以来、どのように教えるか僕が一番苦しんできた部分でもあります。
第1のハードルと同様【面】に関しても学校では教わりませんので子供達は知らなくて当然です。
なので1からの説明となりますので、なかなか覚えるまでが大変。
ただ、もうこの説明をして6年になりますので、僕自身はかなり確信に近い指導を確立しています。
1つ言えるのは、大人の事情で教わっていないだけですので、ちゃんと教えれば子供でも覚えられるという事。
ただ、僕が大変という事。
ハードル3 絵の具
そして、第3のハードルがこれでしょう。
教室へ来た当初は大体皆下手です。ほんとびっくりするぐらい下手。
まぁ第1のハードル、第2のハードル同様、こちらも学校での指導が不十分ですので出来なくて当然です。
ほんと学校なにやってんのw
さて、学校はもういいですが、最近の教室ではここにものすごい力入れています。
理由は、第1と第2のハードルを越えた子供達が増えてきたから。
ようやくここからが今回のブログの本筋になります。
絵の具を扱うのに必要なものは、主に以下になるでしょう。
・技術、色彩感覚
技術は筆を扱う技術、絵の具を扱う技術です。
色彩感覚は技術での範囲ではなく感覚の部分。
これは生まれつき優れている人もいますね。
感覚なのでどうにかなるものなの?と感じるかもしれませんが、これも訓練によって鍛える事ができます。
だから、皆も大丈夫。個人差は大きいけど、ある一定までは見えるようになるので。
で、これらをまんべんなく鍛えますと、皆の持っている絵の具での混色でこの世の全てのものは表現可能となります。ほんと全て可能。
僕がそうなのですが、正直これが技術が将来一番役にたつと思います。
慣れれば提示された色を絵の具で完全に再現できるようになりますので。これが、なかなか使う機会が多いです。
デザイナー、イラストレーター、クリエイティブなお仕事ならかなり役に立つはず。普通の人には出来ないのもポイント。
と、いうことで皆はここで習得するのはとても良いと思いますので、最近教室で頑張って訓練しています。
因みに助手には、この3つをかなり厳しく指導しました。
僕の指定した色を1年間作らせ続けて、今はもう完璧に作れます。
助手も教室で皆に教えられるようにするため、僕が楽になるため。
引用元:ナルト
僕教室9時間あるんですね。
そうなると、いくら鍛え抜かれた僕の万華鏡写輪眼でも後半疲れて見えなくなってきます。
後半はもう目が痛いです。
そんな時、助手の鍛えられた目があればすごい良いんです。
色作り
最近の教室では、必ずこの時間を入れています。
助手に指導したように、同じ事を子供達に行っています。
僕が提示した色と同じ色を作ってもらいます。
ポイントはなるべくゲーム感覚でやる事。
ご褒美もつけます。
そうすると、より頑張って取り組んでくれるので。
僕が提示する色は、単純な色じゃないですよ。
白や黒も入ります。
さらに言うと、黒猫の美術教室では、黒は青と茶を混ぜて作りますが、その割合も考えて混色しないと作れない微妙な色。
最近何度か行ってみて良い手応えがあるので、しばらく続けますね。
保護者様にも画材の面でサポートをお願いいたします。
絵の具が少なくなっている子が多いようなので、ご家庭で残量の確認をお願いします。
使いきってしまった色、少なくなっている色はありませんか?
お友達同士での貸し借りは基本できません。
各ご家庭でご用意をお願いします。
※当面、アクリル絵具(透明タイプ)を使用します。
〈推奨〉
ホルベイン アクリリックカラー
世界堂等の画材店では単色販売しています。(Amazon等はセット販売かもしれません)画材屋さんに行くのは勉強になりますので、基本それぞれのご家庭でのご購入を推奨いたします。
横須賀からだと、横浜ルミネの世界堂が近いです。
世界堂はオンラインショップもあります↓
でも個人でのご購入がどうしても難しい場合はご相談ください。優秀な助手が代わりに買ってくれます。
まとめ
子供が美術を学ぶのは、難しいですが可能です。ちゃんと学ぶ姿勢がある子にはちゃんと教えます。
ちゃんと学ぶ姿勢…。
丁度良い機会なので。
保護者様。ずいぶん前から子供達のスマホの取り扱いについてとても悩んでいます。
なんど注意してもどうしても上手に扱えない子もいます。
本気で教えている僕はそういった場面に遭遇するととても残念な気持ちになり一気に冷めてしまいます。
本当に勿体ないです。今一度、お子様に指導をお願いいたします。
さて、長くなりましたので今回はここまで。
次回は最近取り組みの続きを説明していきます。↓