透明水彩とガッシュを解説

 


目次

水彩絵の具について

透明水彩絵の具

不透明水彩絵の具(ガッシュ)

学童用水彩絵の具



水彩絵の具について

水彩絵の具は簡単に手に入り、油絵や日本画に比べて扱いやすい、また初心者の方が手を出しやすい画材である為とても身近な絵の具です。

一度は水彩絵の具を使って絵を描かれた事があるのではないでしょうか。子供から大人まで誰でも簡単に手に入れる事ができます。

水彩絵の具は身近な画材でありながら、軽やかで爽やかな美しい色彩を表現できるのが魅力になります。

水彩絵の具は【顔料】+【アラビアゴム】=水彩絵の具です。

水彩絵の具はアクリル絵の具同様に透明水彩絵の具不透明水彩絵の具(ガッシュ)に分けられます。
両者の違いは顔料の複合量です。

透明水彩絵の具には顔料が少なく、その分バインダーの量が多く調整されており、不透明水彩絵の具(ガッシュ)には顔料の複合量が多く調整されています。

顔料成分が少なければ少ないほど光が通過するために透明に見え、顔料が多ければ多いほど光は反射するために不透明に見えます。
※詳しくはグレーズの項目に記述しました。

透明水彩は英語で Watercolor(ウォーターカラー)、不透明の水彩絵の具は不透明水彩絵の具Gouache(ガッシュ)といいます。

透明水彩絵の具は透明感を生かしながら描くのに対し、不透明水彩絵の具(ガッシュ)は水分を少なくして描くことで重厚感を出します。

どちらが優れているという事はなく、それぞれに良さがあります。

絵の具のタイプは大きく別けるとチューブタイプ、固形タイプです。

チューブタイプはお家でゆっくり描きたい方に、固形タイプはコンパクトな為、外で描くのに便利です。
用途に合わせて選ぶと良いでしょう。

透明水彩絵の具

透明水彩絵の具

透明水彩絵の具も不透明水彩(ガッシュ)も「水彩絵の具」とひとくくりに呼ばれるため勘違いをしている人が大勢いますが、まず濃度が違います。
透明水彩絵の具はアラビアゴムの比率が多く、顔料成分が少ないのが特長です。

その為透明度が高く「にじみ」や「ぼかし」などの技法を使い、下の色を透かせて(重色)描き進めていきます。
紙がぬれている時に、透明水彩絵の具は様々なにじみ方をします。(紙が乾いている時はにじみません。)
自然ににじみが水彩の美しさになるため、沢山描いて経験を積んでいきましょう。
しかし、全てをにじませて描けばいいわけではありません。
金属やガラスなどや、デッサン的にきちっと描かなければいけない所は、紙をぬらさずにじませないで描きましょう。

また、基本的に透明水彩絵の具は透明性を生かすために白は使いません。
ホワイトを塗る、マスキングをするなど方法は色々ありますが、完成したときにもっとも明るく見えるのは水彩紙の白です。
水彩紙の白を丁寧に塗り残しながら明るい色から乗せていくのが透明水彩絵の具の基本となります。
特に黄色は下の色が白でないと綺麗に発色しませんので、なるべく最初に使うようにします。

このとおり透明水彩絵の具は難しいです。一般的には(絵画教室では特に)初心者の方に使われる絵の具ですが、アクリル絵の具や油絵の具を扱う方が、ある意味では遥かに簡単です。
前述しましたが、「下の色を透かせて描く」には技術が必要になりますし、「水彩紙の白を残しながら描く」にはデッサン力があることが前提になります。
初心者の方はデッサンの知識と技術を深めながら、水彩絵の具を行うと良いでしょう。

不透明水彩絵の具(ガッシュ)

不透明水彩(ガッシュ)

透明水彩絵の具よりもアラビアゴムの比率が少なく10%程になっています。
不透明水彩絵の具(ガッシュ)は隠蔽力が高く下の色の影響をうけにくいので、重厚感を出しながら描いていきます。

また、水の加減次第で透明調にもなります。(水を多めにすれば透明調に、水を少なめにすれば不透明調になります)
※不透明の絵の具(ガッシュ)やアクリルガッシュは水を多めにしても完全な透明調にはなりません。

因みに、もともとバインダーの複合量が透明水彩絵の具よりも少ないため(顔料成分が多いため)透明水彩絵の具のような表現を行いたくて水を必

要以上に加えてしまうと、バインダーの複合量が落ちてしまい固着力が落ちてしまうので注意しましょう。

また厚塗りをしてしまうとバインダーの複合量が少なく耐久性無いためため、ひび割れの危険があるので注意が必要です。

透明水彩絵の具と不透明水彩絵の具(ガッシュ)のそれぞれの特徴を踏まえつつ上手に付き合っていきましょう。

学童用水彩絵の具

学童用水彩絵の具

透明水彩絵の具は透明、不透明水彩絵の具(ガッシュ)は不透明。

小学生、中学生が使っているこの学童用水彩絵の具は中間の「半透明水彩絵具」になります。

この学童用絵の具は小学生、中学生が使いやすいように両者の良いところを合わせたものです。



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