11月の作品完成(トマトの水彩画)

11月のモチーフはトマトでした。

トマトを水彩画で描きます。

今月は、特に【厚さ】と【面】について集中的に指導致しました。

美術の基本的な部分ですが、生徒様は教室に入った時期が異なる為、個々の理解度が違います。

初めての子にはしっかりと説明をして理解をしてもらいたいと思いますし、分かっている子にも復習になり、より理解を深めてもらえることを考え、ここで改めて基礎を指導致しました。

全員が理解するまで先には進まずに、ちゃんと全員理解出来てから先に進むように心がけました。

というのも、「きちんと考えながら描く事の大切さ」を子供達に分かってほしかったからです。
「先生が助けてくれるから良い」では無くて、ちゃんと自分で考えて描けるようになってもらいたいと思っています。
そういった意識を持ってもらえるように、改めて丁寧に説明させていただきました。

 

子供の生徒様 作品ご紹介

「厚さ」と「面」を意識して、皆それぞれに頑張って描いてくれました。
幾つか紹介させていただきたいと思います。
※時間の都合で全員の撮影ができず、一部の紹介となります。

トマトの水彩画

まずは、小学校4年生のトマトの水彩画です。
この生徒様はこちらの作品が初めての作品になります。

へたの厚さを上手に捉えています。
今回は全員に言える事ですが、この「厚さ」を描く事にかなりの時間を費やしました。

教室へ入ったばかりの子にはとても難しい表現だと思いますが、とても良く頑張って描いておりました。

背景の色も、とても綺麗ですね。

大人しい子供なので、この先もっともっと教室に慣れて、のびのび絵を描けるように気にしていきたいと思っています。


 

トマトの水彩画

こちらの作品も小学校4年生の作品です。

今回のテーマでもあった「厚さ」と「面」をとても上手に表現しております。

特に、黄色がとても効果的に効いていますね。
数種類の赤を薄く塗り重ねて微妙なトーンを表現していて、とっても美味しそうなトマトです。

今回、この生徒様にはあまり口出しをしなかったのですが、自分の力で良くここまで描けました。
素晴らしいと思います。

どうしてもわからない部分は、小学校6年生の生徒様に教えてもらいながら進めていたようです。

子供達で相談しながら、自分の意見を出しながらの制作は、遠くから見ていて、とても嬉しい光景でした。

この生徒様は、最近かなり教室に慣れてとても頼りになります。
まだ小学校4年生ですが、気配りが素晴らしいんです。

低学年の生徒様や、教室へ入ったばかりの生徒様、教室へ来てくれたお客様にも良く気配りが出来る子です。

自分が小学校4年生の頃を考えると、絶対無理だったと思います。

とても頼りになり、いつも感謝しております。


 

トマトの水彩画

続いて、小学校2年生の生徒様のトマトの水彩画です。

綺麗に形も取れて美味しそうなトマトが描けています。
聞いたところによると、トマトがとても大好きなのだそうです。
好きなものを描くと、やはり絵にも反映されますね。

彼女の繊細な性格を表すかのような、淡い色調も素敵です。

また、特に特筆すべきはトマトの影の表現。
にじみがとても綺麗で美しいです。
是非、他の生徒にも注目して観てもらいたいです。

この生徒様は(教室実施日に都合の悪い日があったため、振替日制度を使い)1日に6時間続けて頑張ってくれました。

小学校2年生で6時間集中するのは、なかなか大変な事だと思いますが、本当に良く頑張って描いていました。

元々はおとなしい子供なのですが、最近はかなり教室に慣れて、明るく皆と接する機会が増えたのも嬉しく思います。


 

トマトの水彩画

小学校1年生のトマトの水彩画です。

とてもダイナミックに大きく描いてくれました。
形がとても綺麗で、色鮮やかな美味しそうなトマトです。

まだ、小学校1年生なので狙ってした事ではないと思いますが、背景を落ち着いたトーンで描いているので、トマトが凄く目立っていますね。
とても良いと思います。

主役以外を描き過ぎて観にくい絵画を良く観ますが、この絵のように主役以外は遠慮して描かれている作品はとても観やすく、主役も引き立ちます。

「背景はシンプルに」「背景には何も描かない」と言っている訳ではありません。

背景を描き込みたい場合、例えば背景をぼかして主役に鑑賞者の目が向くように誘導するとか…、他にもいくつも方法はありますが、このように鑑賞者の気持ちになる配慮が必要だと考えます。

トマトの水彩画に戻りますが、
この水彩画は自然と鑑賞者の目がトマトにいくように描かれています。
小学校1年生らしいダイナミックさと、主役への配慮もされていてとても素晴らしいです。

トマトの厚さ(面の変わり目)のハイライトもより効果的に視線を集中させる事に一役かっていると思います。

彼女は、なかなか活発な子供で集中する事が難しかったのですが、最近変わりはじめました。

最近はもくもくと描く姿を良くみるようになって、彼女の成長を感じます。

作品や絵を描いている様子から察するに、彼女はおそらく頭で理解しているけど、それを表現する為の画力がまだないのだと思います。

小学校では、絵の具を使うのは2年生頃からですからね。

今から画力(手先)の方も鍛えておけば、小学校で絵の具を使うときはクラスのヒーローになると思います。

僕が教室で教える事は小学校1年生には難しい事も多いのですが、この生徒様はちゃんと理解してくれます。
子供達に質問を投げ掛けると真っ先に答えてくれるのもこの生徒様ですし、分からないことをすぐに聞いてくれる生徒様です。

分からないことを聞くというのは、とても大事なことです。
分からないことを分からないままにせず、必ず聞いてください。
これは黒猫の美術教室の約束事でもあります。
僕でも他の生徒様にでも良いので、分からない時は必ず聞いてから進めましょう。


 

トマトの水彩画

小学校6年生のトマトの水彩画です。

トマトを描く際、一番難しい所は「上の面」です。

美術では「上は明るく、下は暗く描く」のが基本です。

光は「上」から当たりますからね。
室内では上に照明(光源)があるし、外では太陽(光源)が上にある訳です。

しかし、美術ではへこんでいる部分や奥にあるものは暗く描きます。

ここで問題なのがトマトは上にいけばいくほどへこみが大きくなるので、その表現をどうするのかが難しいです。

あまり暗くせずに、へこんでいる造形を表現する必要になるんですね。

この作品は、それをとても上手に表現していると思います。
へたの向こう側の上の面を、より塗り重ねる事によって前後関係が分かりやすくなっています。

これから枚数と経験を積み重ねる事によって、さらに精度も上がるでしょう。今後の成長も楽しみです。

この生徒様は、明るく誰とでも仲良くなれるムードメーカーのような存在です。まだ入って数ヵ月ですが、低学年の子にも優しく、とてもの頼もしい存在になっています。
性別や年齢を問わずすぐに仲良くなれて、本当に凄いと思います。

また、最近は家で自主的に描いてきて、教室に持ってきて見せてくれる事が増えてきました。
※自主作品は今度まとめてご紹介致したいと思っています。

自主的に描いてきてくれるのは、本当に嬉しいんです。
観せてくれる瞬間の、緊張感もとても好きです。
どんな絵をどう考えて描いてきてくれたのか、どんなものが好きなのかが良く分かりますし、指導の方針を考えるヒントにもなりますからね。

引き続き頑張って描いてきて下さい。
継続は力なりです。
頑張ってれば、必ず良いことがありますから。


 

トマトの水彩画

黒猫の美術教室で僕の手伝いをしてくれている助手のトマトの水彩画です。

かなり描き込んでいますね。
背景の処理も良いと思います。

トマトと接する左上をかなり暗くしている事で、よりトマトが前に出る効果と、視線をトマトに誘導する事に成功しております。

へたの描き込みも素晴らしいと思います 。
厚さもちゃんと考えて描けています。
こちらの生徒様は以前、水彩画は苦手と話しておりましたが、今は水彩画を理解して、しっかりと描けるようになってきていると思います。
このトマトも、小学生の生徒様の良いお手本となっております。

この助手はある程度僕が鍛えてあるので、かなり描けます。

また、優しく、子供達の面倒を良く見てくれますし、何より子供達の絵の参考になります。

上手な人と一緒に絵を描けるというのは、とても贅沢な事です。
子供達には、これからもを参考にして頑張ってほしいと思います。

 

まとめ

今月はトマトをモチーフに、改めて基礎をしっかり行いました。低学年の子供には少し難しい内容ですが、今やっておけば将来必ず役に立ちます。
今は完全に理解出来なくても、繰り返し学ぶ事で自分のものにしていきましょうね。

さて、来月は生徒様全員での共同制作になります。
1年に1度、12月に共同制作を行っていきたいと思います。
今年は、黒猫の美術教室初めてのアニメーションを作ろうかと思っています。

皆で描いたデッサンを動かそうと考えておりますが、どうなるでしょうか。
楽しみにしていてください。

 

トップページへ戻る

2018年12月01日