額縁が完成致しました
8月に近所に住む現代童画会の大先輩、中村景児先生の御自宅へおじゃまして、額縁作りを体験させていただきました。
詳しくは↓のブログをご覧下さい。
★中村景児先生のご自宅へおじゃましました
★中村景児先生の絵本をご紹介致します
さて、あとは塗装作業だけの状態で自宅へ持ち帰り、塗装をしましたのでご報告致します。
大分時間がたってしまいましたが、完成させました。
自宅のアトリエで額縁塗装
今回の塗装は、絵描きの領分を越えていますが、僕の持ちうる知識の中で実験して試作品を作りたいと思います。
腕の見せ所です。
塗料にも色々な種類があります。
今回は額縁なので、普通に絵画で使う絵の具だと耐久性に問題があります。
色々考えた結果、今回はラッカー系で塗装してみます。
ラッカー系にする理由ですが、まずラッカーはアクリルより遥かに塗膜が丈夫な事。
さすがにウレタンには敵いませんが、それでもラッカーは下地を溶かしながら定着するので、とても丈夫な塗膜になります。
もうひとつは、ペンキ等の塗料はエアブラシやスプレーガンは使えませんが、ラッカー系はそれらの器具で行えるため仕上がりが綺麗になる事。
これらを考えて、今回はラッカー系でいきます。
良いところばかりかと思いますが、ラッカーには重大な問題があります…。
シンナーを使う事です。
シンナーは物凄く臭く、また体にも良くありません。
景児先生のご自宅にはアトリエが2つありましたが、僕の家にはアトリエは1つしかありません。
うちのアトリエでは、水彩系のアクリルで描いている絵がそこかしこに置いてあるため、ラッカーを使った際に飛び散る塗料でアトリエにある絵(とても大きい絵もあるので移動が難しい)に影響が全くないと断言出来ません。
ラッカーはシンナーが大量に含まれいる為、何がおこるか分かりません。
アクリルは溶剤に強いとされていますが、それでもシンナーに浸ければアクリルの塗膜を侵しますし、影響が無いと100%断言出来ないです。
これを考えると同じアトリエでのラッカー塗装は避けたいです。
しかし、家にはもうひとつアトリエを作るスペースはありません。
そこで、しかたないので今回は寝室をちょっと改造して塗装する事に。
寝室がシンナー臭くなるので、少し無理がありますが、僕一人で住んでいるので、誰も文句は言いません。
下地作り
塗装は下地の良し悪しで決まると言っても過言ではありません。
例えば、下地がでこぼこしているまま最終塗装を行うと、でこぼこの下地に薄い塗膜ご乗る事になるため仕上がりもでこぼこになる訳です。
そうならない為にも、しっかり下地作りを行いましょう。
とりあえず、木材のアクやヤニを止めるシーラーを塗りました。
ここからはサーフェイサーによる下地も作りを行います。
サーフェイサーもラッカー系で行います。
塗料とシンナーの希釈は1:1でやってみます。
サーフェイサーのような下地に使う塗料は粒子が荒いので少し濃いかもしれません。
しかし、垂れない程度に一気に塗装した方が仕上がりが綺麗になると判断しての事です。
一度スプレーガンで塗装してみました。
こんな感じです。
画像だと綺麗に見えますが肌が荒いですね。
…それとやはり、すごいシンナー臭です。
今日は寝室で寝れないな…。
これを、紙やすりで削っていきます。
せっかく塗ったのに勿体なく感じるかも知れませんが、最終的な仕上がりを考えるとこの段階で出来る限りフラットにする必要があるのです。
削ってみました。
こんな感じです。
次の工程にいって問題無さそうですね。
仕上げ塗装
最終的な仕上げ塗装を行います。
この場合、やはり一度に厚く塗装せず、薄く何度か塗り重ねるのが良いのだと思います。
セミグロス系のブラックを選択しました。
こちらも希釈は1:1で行います。
とりあえず、塗装してみましょう。
スプレーガンで一度吹いてみました。
うん、良さそうです。
先程よりも肌がきめ細かく美しいです。
でもちょっと、艶が強すぎるかな…。
好みの問題ですが、絵の邪魔をしそうな感じがあります…。
今回はもう少し、品のある艶を目指しています。
うまくいくかわかりませんが、最後のクリヤー塗装で、艶を落ち着かせてみます。
最後の工程へいきましょう。
クリヤー塗装
最後はクリヤー塗装です。
ラッカーの塗膜はとても丈夫ですが、さらに強く、さらに艶を均一にするためにクリヤー塗装を行います。
こちらもセミグロスのクリヤーを選択致しました。
2液型のウレタンクリヤーとも迷いましたが、ウレタンを扱うのはなにかと大変で、寝室での塗装は絶対無理なので、ラッカー系でいきます。
一度塗装してみました。
こんな感じです。
いい感じです。
艶も落ち着ちましたね。
品のある艶になりました。
もう一度クリヤー塗装をしても良いですが、丁度良い艶なので、今回はこれで完成にします。
因みに面金というガラスやアクリル板とキャンバスを密着させないように間に入れるものがあるのですが、それも同じように塗装しました。
これです。
面金は側面しか見えないため側面以外は綺麗に仕上げていません。
額縁「試作品1号」完成
今回は、始めての額縁制作にしては良い額縁が出来たと思います。
この額縁は「試作品1号」と名付けました。
前に描いた0号の絵を試作品1号に入れてみました。
こんな感じです。
因みにガラスは反射してしまうため撮影時に外しました。
塗装でつかう塗料は、絵で使う絵の具とは別です。
塗装と下地の相性、またニスと塗料との相性など塗装は奥が深いです。
塗料やニス、木材などの深い知識が必要になります。
これから研究していく必要がありそうです。
いずれ、大きな額縁を作りたいですが、まだまだ試作の段階です。
次の「試作品2号」制作の際は、またブログに書きたいと思います。
しかし…いや、やはりと言うべきか、寝室がシンナー臭くなりました。
よし、今日はアトリエで寝よう。
お休みなさい。
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