中村景児先生のご自宅へおじゃましました

中村景児先生はイラストレーターをされていて、沢山の絵本を出版されています。
僕と同じ現代童画会に所属されている方なのですが、その中でも景児先生は【常任委員】をされてるとても偉い先生です。

★中村景児先生の絵本はこちらから

以前、現代童画会の集まりで大先輩の景児先生とお話をさせていただける機会があり、景児先生のご自宅と僕の家がとても近いことが判明致しました。
「それなら一度遊びにおいで」と言って下さり、お言葉に甘えてお邪魔させていただく事となりました。

今回はアトリエを見せていただけたり、額縁作りのご教授もしていただけるとのことで、とても楽しみです。

絵画

景児先生は、作品を入れる額縁まで手作りされています。
作品に合った額縁を作られるので、作品の世界観がより広がり、一体感があり、とても素敵です。

絵画

市販の額縁では、こんなにおしゃれな額縁はなかなかありません。

僕は現代童画会【一般】の頃から、景児先生の作品や手作りの額縁にとても興味がありました。
今回はとても光栄な事で、この貴重な機会をきちんと勉強して何か持ちかえりたいと思います。

 

御自宅へお邪魔します

あいにくの台風の日です。
そうでした、僕は雨男なのです。
台風をもろともせず、景児先生の御自宅へ向かいます。

御自宅の近くへ行くと、景児先生が玄関の外まで迎えに来てくれました。

僕 「おはようございます(暴風)」

景児先生「良く来てくれたね(暴風)」

風であまりお互いの声が聞こえないため、すぐに御自宅の中へ入れていただきました。
すると、奥様が笑顔でお出迎えして下さいました。
奥様とは以前、景児先生の個展でお会いしています。

お土産をお渡しして、リビングに腰を降ろします。

コーヒーを入れていただき、最近の近況や絵の話、現代童画会の事などを楽しくお話させていただきました。
お二人とも優しくて気さくで、とても話しやすい方々です。人見知りの僕でも、沢山話してしまいました。

しばらくお話させていただいたあと、景児先生のアトリエへ案内していただきました。

 

景児先生のアトリエ

廊下や、階段に景児先生の素敵な絵が飾ってありました。

景児先生のアトリエは、御自宅の2階にありました。

アトリエは大抵、絵の具などで汚れているのが普通ですが、景児先生のアトリエはとても綺麗でした。

大きな作業台があり、その作業台の下には、エアブラシを使う際に必要な大きなコンプレッサーが。

コンプレッサー

タンク一体型のコンプレッサーですね。
これだけ大きければ沢山エアを溜められるため、長時間の製作にも耐えられると思います。

小型のコンプレッサーは、タンクも小さい為にエアをあまり溜められず、起動している時間がどうしても増えてしまいます。
そうすると、コンプレッサーが熱を持ち、消耗して故障につながりますが、この大きさではそんな事も無いと思います。

エアブラシ

これは、エアブラシのガンです。
アネスト岩田製ですね。

こちらは景児先生がお仕事で使われる、絵の具です。

塗料

液状なのでエアブラシでも吹けます。

金属を加工する機械

景色先生は立体作品も製作されており、これは金属を加工する際に使用するものです。

景児先生のアトリエには色々なものがあるので、見ていてとても楽しかったです。

第2のアトリエ

続いて、額縁作りを行うための第2のアトリエへお邪魔させていただきました。

アトリエが2つあるなんて、羨ましい限りです。
木材を加工する為の道具が沢山ありました。
こちらも、作業場とは思えないほど綺麗でした。

早速、額縁作りをご教授いただく事に。

今回制作する額縁は、F0号サイズ(180×140)の小さい油彩額です。
まずは、設計図を描いてイメージを固めます。
この最初のイメージ固めがとても大切との事です。

木材カッター

まずは、この機械で木材をL字に切り取ります。
L字にするのは、ガラス、もしくはキャンバスやベニヤを支える為です。

スイッチを入れると、ヴィーーーン!と爆音が!
景児先生が木材を固定して、僕が引き抜きます。

L字に切り取る為に、2回の切り出しが必要になります。
まずは1度目。

木材

こんな感じです。

 

どうやら、うまくいっているようです。
とても楽しいです。

続いて、面を変えてもう一度行います。
ヴィーーーン!

木材

こんな感じです。

 

見事にL字ですね。物凄く楽しいです。
この機械、僕も欲しいです。

次はこのL字にカットさした木材を45℃でカットします。

実は、ここが額縁作りのハードルをあげているポイントです。
少しの誤算もなく45℃にカットしなければ四方の切り口が綺麗に合わず、額縁が歪みます。

木材カッター

綺麗な45℃でカットするためにこちらの機械を使います。

木材カッター

メモリが45℃になっていますね。
しかし、それでも微妙な誤差がある為、景児先生が微調整をして、最適な角度に修正したものなのだそうです。

さっそくやってみましょう。

景児先生がスイッチを入れると。
ヴィーーーン!、こちらも爆音です。

木材を加工している

先程のL字の木材をセットします。

 

今回は4回カットします。
僕は木材を支える役です。

ヴィーーーン!

1回目が終わりました。

L字に切り出している為、支えるのが難しく、歪んでないか心配ですが、もう後戻りは出来ません。
この作業を繰り返す事3回。

木材を切断

こんな感じです。

 

ここまで来ると、額縁に見えてきますね。

木材にボンドを塗る

今度はこれをボンドで張り合わせます。
先程45℃に切り出した面にボンドを塗り、圧着させます。

しかし、どうやら少し歪んでいるようです。
歪みが原因で、前面を合わせると後ろが合いません。

でも、大丈夫です。
この程度の歪みなら、後から修正出来ます。

とりあえず、圧着させましょう。

木材を圧着

こんな感じです。

僕はあまりの楽しさに時間を忘れ、いつの間にか2時間も経過していました。
竜宮城に来た浦島太郎のようです。

ボンドが乾くまでご飯を食べようと言って下さり、またお言葉に甘える事に。

 

お昼ご飯

一階に降りると、とても良い香りが!

奥様がお料理を作ってくれていました。

お料理

とても美味しそうです。

いただきます!

物凄く美味しいです。
僕は独り暮らしの為、普段あまり料理は作らず簡単なインスタントのものなどで済ませています。
その為、こういった手作りのお料理に飢えています。

あまりの美味しさに無我夢中で食べました。

ビールも入れてくれました。
僕はお酒が苦手なのですが、景児先生も奥様もお酒がお好きという事で、勧めていただきました。

せっかくなので、少し飲んでみる事に。

以外と大丈夫だったので、グラス一杯飲みましたよ。

しばらくすると、酔いがまわってきたのかフラフラします。
顔も赤くなりました。

まずいです。このままだと額縁作りに影響が。
だんだんと眠くなってきました。

そんな時、景児先生が僕の異変を察知して下さり、ご提案が。

景児先生「少し上で寝る?」

僕「全然大丈夫です!」

大丈夫なのかどうかは分からないのですが、景児先生の御自宅で寝るわけにいきません。
少し外の空気を吸いにいく事に。

外に出ると、相変わらずの台風です。

台風で雨が降る中、空気を吸ってリラックスします。
しばらくして、御自宅に戻りました。

その後、お二人とご歓談して、また額縁制作に戻る事に。

酔いは完全にはさめていませんが、なんとか大丈夫そうです。

 

額縁制作の続き

第2のアトリエに戻り、先程の額縁制作の続きです。

圧着していた額縁は、完全にくっついたようです。

 

額縁作り

しかし、前面は大丈夫ですが、後ろはこんなにずれています。

 

木くずにボンドを混ぜている

この隙間に、ボンドと木屑を混ぜたものをペインティングナイフで埋めていきます。

木くずにボンドを混ぜたもので隙間を埋める

隙間ににぐいぐい押し込み、表面も、わりと厚めに盛ります。
後からサンドペーパーをかけるので問題ありません。

額縁作り

こんな感じです。
全ての隙間を埋めて完成です!

ここからまたしばらく乾かします。


次は、僕が家で出来ないガラス切りをさせていただく事に。

ガラス切り

これでガラスを切ります。
ビィーッという音がします。

ガラス切断

最初は苦戦しましたが、上手く切れました。

絵をガラスに密着させないための下駄も作り、額縁の裏に金具を止めました。

 

次の工程は、木材から出るヤニやアクなどを止める役割のあるシーラーを塗ります。

下塗りをしないと木材が塗料を吸収してしまうし綺麗な仕上がりにならないのです。

 

しかし、もう遅くなってしまったので、この先は、持ち帰って自宅で行うことにしました。

ここからは僕が自宅でやります。

額縁を完成させたら、景児先生に見ていただく約束をしました。

綺麗に完成させて、また持ってきます。

とても楽しい時間で、随分と長居をしてしまいました。

僕「今日は大変お世話になりました。
ありがとうございました。
お昼までご馳走になってしまい、申し訳ありませんでした。」

景児先生&奥様「また、いつでも遊びにおいで」

僕「はい。お言葉に甘えて、額縁を仕上げたら持ってきます。」

ここからは一人で頑張って仕上げます。
額縁が完成したら、またブログを書きます。

 

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2018年08月17日