グリザイユと水彩画

黒猫

こんにちは黒猫の美術教室です。

今回は、一月の課題の水彩画とグリザイユ(技法)をご紹介いたします。

今現在まだ完成していない生徒様が大半
ですので、途中経過です。

また、今回のポイントは「グリザイユ」になります。これが説明するにはなかなか難しいです。

なるべく分かりやすく読めるように頑張ります。

 

1月の課題

じゃがいもと黒猫

モチーフはこちらです。


レベルを3つに分けた課題を行っていきます。

レベル1・じゃがいものデッサン

レベル2・じゃがいものグリザイユ

レベル3・固有色の着彩(色塗り)

 

じゃがいもは色々な要素がつまっており、とても勉強になります。
じゃがいもを描けないと、他のものも描けないでしょう。

いつも通りですが、じゃがいもがどういった形をしているか観察して描くことが重要です。
でこぼこ面も良く見てみましょう。
そこで、何か気がつく子は上手に描けます。


今回は、レベル1(デッサン)をクリアしないと、レベル2へいけない仕様です。


レベル2ではグリザイユを行います。

 

EXILE

EXILEではありませんGRISAILLE(グリザイユ)です。

グリザイユは、絵の具でデッサンをするような感覚です。
つまり、鉛筆でデッサンが出来ないと難しいです。

グリザイユに関しましてはこちらをご覧下さい。

 

先生のグリザイユ

実際に僕がグリザイユをしている様子を見てもらってから、描いてもらいます。

何度も実演して見せたので、水彩紙、画用紙類がなくなってしまいました。

今回はお菓子の箱に描いています。
もう、何にでも描いちゃってます。
黒猫の貧乏教室、いや節約教室です。

グリザイユのポイントをまとめると

1.デッサンの技術、知識

2.筆の技術

3.絵の具と水の具合

どれも大切ですが、やはり【デッサンの技術、知識】が必要不可欠でしょう。

2と3はその後です。



さて、レベル3で初めて色塗りができます。
色塗りと、分かりやすいように書いていますが、正確に書くなら「固有色」の着彩です。
固有色に関しましてはこちらをご覧下さい。

つまり、今回のじゃがいもで言うと【黄土色】ですね。

レベル2でデッサンの要素は出来ていますので、あとは固有色(じゃがいもの色)をつけるだけ、簡単です。

次は、実際に描いている様子をご紹介しながらみていきましょう。

 

実践

実際にレベル1~3で子供達が描いたじゃがいもをご紹介していきます。

小学校一年生の絵を中心としてご紹介していきますが、今回選んだのは、かなり頑張っていたのと早くも作品が完成した為です。


苦戦している子は、復習の意味で見ておきましょう。

 

デッサン

レベル1でまずデッサン。
こちらは中学生のデッサンです。

 

グリザイユ

レベル2で水彩紙にグリザイユ。
こちらは小学校一年生のグリザイユです。

絵の具でデッサンをする感覚で描きます。
じゃがいもの芽の部分のスフマートが不十分ですが、まだ小学校一年生ですので、これで十分以上です。

詰め込みすぎはよくありません。大切に鍛えます。

 

着彩

レベル3で固有色の着彩です。
こちらも先ほどの小学校一年生です。

使用色は「イエローオーカー」。
イエローオーカーは、今後ともかなりお世話になる色なので色名を覚えておきましょう。
僕も良く使います。

 

着彩完了

こんな感じになります。

すでに明暗の要素をグリザイユで描いているので簡単です。

 

じゃがいもの水彩画

最後に背景を好きな色で塗って完成です。

背景はがっつり塗ってもいいですし、こちらの作品のように水彩画風ににじみを活かしながらさらっと塗っても良いです。



さて、こうやって書いてみると、なんてことはない簡単なようにみえるかもしれませんが、実際やってみると結構難しいです。

大人でも難しい技術ですので、子供達なら尚更ですね。


子供達が苦手意識を持たないように、なるべく楽しみながら描いてもらえるように頑張っておりますが、どうでしょうか。

今回、苦戦している子は、まずデッサンを理解しましょう。
グリザイユはそれからです。

教室でしつこくデッサンをしている理由は、ここにあります。
デッサンが出来ないと色も塗れないのです。

厳しく言うと、

デッサン力が無いと、ただの塗り絵になってしまいます。

小学生の絵で良く見る平面的な絵ですね。

あれは、デッサンの知識、技術が無い為です。


それゆえ、発想力や力強さが際立ち子供らしさが光るのかもしれませんが。


しかし、ここでは美術を学んでいます。

「美」しく見える為の「術」です。

 

我々は「どうすれば美しく見えるか?」をつねに考えなければいけません。
美しい作品を目指して頑張りましょう。

 

絵の具

さて、今回は久しぶりの絵の具ですが、色塗りもデッサンが基本となるため難しいです。

何人がレベル3までいけるかは未知数です。

真面目にやれば皆いけると考えています。

 

まとめ

グリザイユと着彩の比較

グリザイユは、いわば明暗の要素と固有色の要素を分けて考えられる技法です。


乱暴な言い方ですが、あらゆる物体は明暗の要素と固有色の要素が共存している状態です。
これらをごっちゃにするから分からなくなって来るのです。

考え方がシンプルになるため、小学生や中学生にはとても良い練習になります。

しかし、グリザイユの指導を受けられる子供対象の絵画教室は、おそらく「黒猫の美術教室」ぐらいでしょう。

もっというと、大人でもあまり知りません。

 

EXILE

EXILEに負けないようもっともっと浸透すればいいのに…グリザイユ。


黒猫の美術教室トップページへ戻る

2020年01月14日