写実の壁

天満月

こんにちは、黒猫の美術教室です。

今回は写実絵画について書いていきます。
そういえば、書いてなかったような気がするので。


黒猫の美術教室では、写実が僕の得意分野という事もあり、子供達に積極的に教えています。
技術的にも、知識的にも。

 

写実はやりたい人多いけど、ハードルが高いのかあまり見ないですよね。
写実に興味ある人は勉強になるかもなので、教室の方以外でも良かったら見ていって下さい。



間接照明

天満月

さて、これ実は僕が描いた絵です。
いつも、ページのはじめに黒猫の写真を載せていますし、ほとんどの方は騙されたのではないでしょうか。

初見から分かった人はすごいです。
ひよこシールあげます。

 

少しだけ絵についてふれますね。

 

この絵は意外と大きい絵で、大体20号程度。
迫力あります。

黒猫ですが、絵の具の黒は使っていません。
自分で混色で作った黒7種類を使って描きました

茶色味が強い黒、青味が強い黒…などなど、単純に黒といっても色々な黒がありますからね。

久しぶりに黒猫を描きましたが、やっぱり難しかったです。
逆キアロスクーロとでもいいましょうか。

ここ数年で一番大変な制作でしたね…。難易度的にもメンタル的にも。

僕の元旦が1月5日になったのもこの絵を描いていたからです。
でもやりきりましたよ。

 

現状僕はこれ以上の絵は描けません。断言します。

 

まぁでも時間がたてばまた見えてくるものがきっとあるのでしょう。
今までもそうでしたが、今後も僕は常にちょっと上を目指しながら描くので。

芸術家というのは常に進化していかなければいけないのです。

 

 

さて、現在世間は写実ブームといっていいのではないでしょうか。
ブームといっても、描ける人の絶対数が少ないので、細々とブームな感じですが。

僕からすると、写実にようやく間接照明程度当たったかな…といった感じですね。

さて、写実といえばホキを思い浮かべる方が多いでしょうか。

ホキ

ホキといっても魚のホキではありません。
ホキは唐揚げにすると美味しいです。

はい、茶番はいいとして、ホキとはホキ美術館ですね。

ホキ美術館とは写実絵画専門の美術館で、千葉にあります。
保木さんという方が、館長です。多分今も。
これは、茶番ではなく本当です。

写実の壁

さて、本題です。

生き物を扱った写実絵画のお話です。
写実を極めていくと、必ず壁にぶつかります。
僕もそうでした。

その壁とは、【生(せい)】を感じなくなるという事です。

形を追いかけ、丁寧に描写し、いわゆる写実といった程度の絵になると、冷たくなりそこに生きているように感じなくなってしまいます。

絵に温度がなくなるのです。

まぁこれをいうと皆様は、絵なんて元々無機質なものだから、そこに描かれているモチーフに温度を感じないのは当然と感じるかと思いますが、

それは違う。
少なくとも僕は違うと思っています。

生き物を描く場合。
これは、人間を含めての生き物です。
温度がありますよね。

勿論魚類や両生類なんかは別ですよ、それはまた違った形で、【生】を表現すればいい。

しかし、【生】を感じさせるような写実はあんまりありません。
心臓が動き、身体中に血液を送り、呼吸をして、確かにそこに生きているいるように感じるさせる絵が。

これが写実の限界か。

僕も、この壁に二十代の中盤あたりに正面衝突して、写実の限界を感じていました。

でも、今なら違うとはっきり断言できます。

限界無かったです。

写実のその先があります。
今の僕ならはっきり見えます。

超写実

天満月

再び僕の絵です。

カテゴリーすれば、写実となるでしょう。
でも単純な写実ではない。
写実の先、感覚も描写しています。

そこに【生】があり、確かな温度がある。

ドラゴンボール的に表現すると、超写実。
スーパー写実人です。

はい。

画力の向上により、表現できる幅が格段に増えました。これはひたすら表現を追い求めた結果です。
現在の僕の画力をスターウォーズで表現しますと、大体エピソード3のアナキンぐらいですね。

はい。

生き物を描く場合、そこに【生】を描写してこその写実でしょう。
生気なく描いて、それを写実だと言われてもね。
所詮絵なのだ、という壁を越えられません。

しかし、一応書いておきますが、僕の写実の考えや表現が正しいなんて事はわかりませんからね
これは美術の複雑な所ですが、美術においての正しさなんてものは個人が決めるものではないのです。

 

正しさは歴史が決めます。

 

今までもそうだったように。

なので、画家は自身の正義を貫くしかありません。
職人は皆そうでしょうし、僕もその一人です。

有難い事にまだまだ地球は回るでしょうし、美術は続くし、サザエさんもドラえもんも続きます。
歴史が正しさを決めるなら、我々芸術家は自身の正義を信じ、自身の表現を追及するしかないでしょう。

最後に余談にはなりますが、僕の理想の生き方を書きましょう。

スキップ

鼻歌を歌いスキップしながら歴史に突っ込んでいく事です。

自分の作品と向かい続けることは辛い作業です。
気持ちぐらいは楽に生きたいですね。

 

楽しくお絵描きする為にね。

 


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